第5回総合演習報告会

日付変わって昨日の話ですが,第5回総合演習報告会が開かれました.

今回は全18件で,そのうち6件が毛利ゼミでした.昨年度は予定が合わない学生が多かったため1,2件でしたが,今回こそは,全員の研究テーマが異なる毛利ゼミの面目躍如となりました.お開き後にY先生から「色々やってるんだね.あれ全部指導してるの?」と言ってもらえました.えぇ.そして,これまでも色々やっていたんですよ.皆に示すことができて嬉しいです.

さて,今回のトップバッターは吉田さん.「山・鉾・屋台行事について」というテーマでの発表でした.
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色使いやレイアウトなどは,さすがイラストのプロ.図や写真も効果的に使えていたと思います.内容も上手くまとまっていました.欲を言えば,レジュメにもう一工夫欲しかったです.表のみは寂しいということもありますが,表のみと割り切るなら,いっそ開催期間を併記した方が皆も行きやすくなると思います.

続いて,智行君.「カルトの説得手法の根本となっている心理学の理論は何か」というテーマでの発表でした.
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大人数の前でのプレゼンはおろかスライドを作るのも初めて,ということでしたが,よく頑張りました.流れや展開は上手くできていたと思います.次の段階は,聴講者の負担を減らすことです.色,強調,図表,抑揚,説明の簡易化など,様々な工夫を今回目にしたと思います.少しずつモノにしていきましょう.

深津君.「自動車の未来」というテーマでの発表でした.
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長らく為替関連を研究していたところで急に舵を切った形ですが,間に合いましたね.さすがに時間は短めでしたが,聴講者の興味を引く内容と工夫は狙い通りだったと思います.ここから深めていくのか,それとも戻るか,悩ましいと思いますが,いずれにせよ,オリジナルな部分をもっと盛り込んでいきましょう.

岡本さん.「貧困と教育格差」というテーマでの発表でした.
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前日まで盛り盛り沢山だだ溢れで削り所に苦心し,かつ,最後までデータ探しをするガッツ.凄いものです.スライドも見やすく,教員を目指しているのは伊達でないことが分かります.情報の取捨選択や裏取りに関して良い経験となったと思いますので,聴講者の興味・理解を促せるよう,これからも頑張って下さい.

やのさん.「LGBTと人権」というテーマでの発表でした.
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スライドが簡潔+語りの密度が高い=講演的な発表でした.関連知識や時事を押さえつつ自分の考えを持っていることが伺えて,良かったと思います.ただ,語り中心は語り手に視線が集中するため,紙を読み上げる形は避けたいです.それが難しい場合は,図表や話の展開用のスライドを用意すると良いでしょう.

最後に小川君.「3Dプリンターとものづくり」というテーマでの発表でした.
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集中講義に色々と奪われはしましたが,何とか間に合いましたね.春学期の頑張りを包括できていました.2つの別の話題が繋がって,その対比や私見を述べていく所は,興味深く,また研究的で良かったです.緊張具合は昔の私を見ているようでした.ゼミ内外で発表の場数を踏んで,少しずつ慣れていきましょう.

総括します.
プレゼンが得意な連中が(その姿を報告会で見せることなく)ゴッソリ姿を消して始まった春学期ということもあり,私が「魅力的なプレゼン」を苦手とすることもあり,プレゼンに関しての指導は十分ではありませんでしたが,そんな中,皆よく頑張りました.私は嬉しいです.報告を普段から聞きあわない大人数の前での発表は,やはり勝手が違いますし,プレッシャーも大きいですし,それをよく実感できたと思います.また,短い時間や狭い紙面で「伝える」ことの苦悩も実感できたと思います.今回の経験から拾い上げられるだけ拾い上げて,また次に向かっていきましょう!お疲れ様でした!

岐阜空襲から70年

http://www.yomiuri.co.jp/local/gifu/news/20150708-OYTNT50200.html
http://www1.ocn.ne.jp/~yosisi/newpage7.htm

1945年7月9日の岐阜空襲について知っている人は少ない.全国的に見れば,取るに足らない地方で千人弱が戦中に亡くなったという程度であるため,それは当然だと思う.しかし,太平洋戦争(というより日米戦争)を語る上では,ある意味では広島や長崎よりも考えるべき部分があり,それを多くの人に知ってもらいたいと思う.

形式的なのかもしれないが,近代戦争にはルールがある.その中には,非戦闘員や非軍事施設への攻撃の禁止がある.ここで,広島や長崎には軍事施設があるため,それを破壊するためと言われれば,威力や害毒的効果が甚大ではあるものの,全く筋が通らないということはない.

しかし,岐阜市には,戦闘員も軍事施設も無かったのである.各務原市や大垣市ならそれらがあったため,全く筋が通らないということはない.しかし,岐阜市には無かったのである.つまり,非戦闘員を殺し非軍事施設を破壊するためだけに,それを分かっていて焼夷弾を落としたのである.この一点において,広島や長崎とは比較にならないくらい規模が小さかろうと,この日本で生まれ育った人とアメリカで生まれ育った人には知っておいてほしい事柄なのである.

社会保障(公的扶助・社会福祉)の歴史

こんにちは。

今回は、社会保障(公的扶助・社会福祉)の歴史についてみていきたいと思います。というのも、先日、日本の社会保障の歴史について問われたときに即答できなかったからです。

従前からお世話になっている方の質問には答えたいものです。

また、講義を受けていながら最も基本的な知識が曖昧ではいけません。


 

「日本の公的扶助・社会福祉の年表」

(制定されるも不十分であった)

1874年(明治7年)恤救規則制定(←社会福祉分野において初の政府による救貧法制)
1929年(昭和4年)救護法制定

(第2次世界大戦後:基盤整備がなされる)
(①、②、③から福祉三法体制、福祉三法時代=昭和20年代)

1946年(昭和21年)(旧)生活保護法制定 ①
1947年(昭和22年)児童福祉法制定 ②
1949年(昭和24年)身体障害者福祉法制定
1950年(昭和25年(新)生活保護法制定 ③

(社会保障制度の発展期)
(①~⑥まで合わせて福祉六法体制、福祉六法時代=昭和30年代)

1951年(昭和26年)社会福祉事業法制定
1960年(昭和35年)精神薄弱者福祉法(後に知的障害者福祉法) ④
1963年(昭和38年)老人福祉法制定 ⑤
1964年(昭和39年)母子福祉法制定(後に母子及び寡婦福祉法) ⑥
1973年(昭和48年)老人福祉法改正→老人医療費無料化=福祉元年
1989年(平成1年)高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)策定

(措置から契約へ)

1990年(平成2年)社会福祉関係八法改定
(八法=児童福祉法、身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法、老人福祉法、母子及び寡婦福祉法、社会福祉事業法、老人保健法、社会福祉・医療事業団法)
1997年(平成9年)介護保険法制定
2000年(平成12年)社会福祉事業法等改正(社会福祉基礎構造改革)→社会福祉法
2005年(平成17年)障害者自立支援法制定


 

解説を付加すると長くなるので年表のみで終えます。

参考

『はじめての社会保障』第11版 265頁 著者 椋野美智子 田中耕太郎

あらしハ山をさつて軒のへんにあり

こんにちは、ringoです。

表題は、先日本屋で一目惚れして衝動買いをした、
岩波文庫(黄130-1)『中世なぞなぞ集』鈴木棠三(編)、1985年からです
ヒントは漢字です。答えを出すと単純なのですが、作り方が上手いと思います
答えは「かざぐるま」

表題のなぞなぞをよんで、文屋康秀の
吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風を嵐といふらむ」という歌を連想しました
高校で百人一首の講義を受けた際に紹介されて、
和歌が嫌じゃなくなったのを思い出します

『中世なぞなぞ集』から面白いなぁと思ったのを3つ紹介します
はヽには二たびあひたれども ちヽには一どもあはず」答:唇
四季のはじめ 月のおハり」答:花扇
椿葉落ちて春もなし 公私わたくしなうして 君を用る」答:松
1つ目は、今だと疑問符がついてしまうのですが、
昔の発音と今の発音の差を感じられて興味深いです
今風にアレンジした「ママには2度会うけれど、母には一度も会わず」の様な形で、
小さい頃に弟に借りた『かいけつゾロリ』に載っていたのを思い出します
2つ目は、まず現代生活では縁のないものを問うているのが、いいなと思いました
春夏秋冬の頭文字「ハナアフ」に月の後ろの「キ」を足して「ハナアフキ」
仮名遣いの問題で、より難しく感じられますよね
3つ目は、「公」を「こう」「きみ」と違う読み方をさせるのが面白いと思いました
言葉遊びって、伝わったり伝わらなかったりして、難しい遊びだなぁと思います
でもそこが楽しいとも思うのです

最後に、最近知ったものでお気に入りの謎かけを紹介します
月々に月見る月は多けれど 月見る月はこの月の月」という詠み人知らずの歌です
答えは「月」が8つあるので、(旧暦)8月です。仲秋の名月ということです
月を見る度に思わず口ずさんでしまいます
滑らかに畳み掛けるようなリズムが楽しいです
宜しかったら、皆様もお試しくださいませ^^

コンサートについて

おはようございます。okamochiです。
今回が初投稿となります。
よろしくお願いします!

今回は先日聴きに行ったコンサートについて、書かせていただきます。

その前に、簡単にプロフィール紹介をします。
私は中学校、高校で吹奏楽部に所属し、
現在も地元の一般団体で打楽器を演奏しています。

さて、今度こそコンサートについて。

私が聴きに行ったのは、
「AtoZ wind company 」さんの旗揚げ公演です。
旗揚げ公演というのは一回目の公演のことを指します。
つまり、記念すべき第一回目の演奏を聴くことができたのです!

音楽を言葉で表すのが苦手なのですが…
本当に素晴らしい演奏でした!
私は打楽器奏者なので、音楽を鑑賞する時はついつい打楽器奏者の方の手元に目がいってしまいますが、真から響く深い音や、スティックコントロールの技術の高さに圧倒されました。

人間は当たり前になってしまったことに対して、有り難みを忘れてしまうものだと私は考えています。今回演奏を聴かせていただいたことで、現在私の所属している吹奏楽団の演奏を観客として聴き、その演奏に感激、圧倒された中学の頃の自分を思い出しました。
今憧れていた吹奏楽団で、楽器を叩けるという有り難みと喜びを味わいたいなと思います!
「初心忘るべからず」ですね^ ^

ありがとうございました!

メガネ論

毛利です.

先日,普段使いしているメガネを壊してしまいました.ツルのヒンジが単純な嵌め込み式で,強い力がかかった際には外れることが多いのですが,今回は運悪くヒンジの爪が折れてしまったため,嵌めても取れてしまうようになったのです.

私は,大教室用,演習用,普段用の3つの眼鏡を持っていますので,ただちに困ることはないのですが,前2つは度が強目なこともあって,PCを使った時には随分疲れてしまいます.以前の普段用を引っ張り出してきて使ってみたものの,若干小さめな上にコーティングが剥げているため,視界が狭くなります.常用できません.

仕方がないので新調・・・したいところですが,3年経たずに買い換えるのはもったいない.何よりレンズは大丈夫です.そこら辺のプラスチック片と瞬間接着剤を使って,とりあえずくっつけました.折りたためませんが,普段はかけっぱなしですし,傍目からは変わりませんし,使えればよかろうなのです.

ところで,年配の方は「メガネは高いものを買うとよい」という価値観を持っていらっしゃることが多いと思います.私の父も,この前,十万円もはたいて買い換えました.しかし,私は必ずしもそうだとは思いません.メガネはあくまでも消耗品です.特に,若年層に関しては.

まず,眼球の大きさや形状が成長によって変わるため,若年層の視力はすぐに変わり,度が合わなくなります.次に,頭のサイズや目の間隔も変わるため,フレームが合わなくなります.そして,身体を動かすことが多く,他者との身体的接触も多く,屋外での活動も多いため,レンズもフレームも傷みやすいです.高いものを買ってしまうと,その時々に買い替えることを躊躇し,視力や集中力を落とす結果となります.それこそ非常にもったいない.

もちろん,単に安ければいいというわけでもありません.自分に必要な機能を,財布と相談しつつ決めることが大切です.私の場合,度が強めなので,レンズは圧縮プラスチックでないと色々と支障が出ます.また,PC作業が多いため,紫外線とブルーライトをカットする機能が欲しいです.フレームは,視界を妨げない形状で軽いものが良いです.・・・などと言っていると,ちょっと高くなりますが,それでも込々を1万円程度で買えちゃいます.

ブランド等に無頓着であるが故ではありますが,自分の機能を補佐する消耗品は,ほどほどに機能重視で買い替えを念頭に購入するのが良いと思うのです.

よそに見てかへらむ人に藤の花はひまつはれよ枝は折るとも

愛知大学ライフル射撃部のすずきです。
冒頭の句は古今集より、遍照僧正の句です。

明日から西日本学生選手権大会のため、静岡県藤枝市(西本先生の出身地らしい)に行きます。
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図1. 射撃場(スポーツ・パル 高根の郷)

冒頭の句は「藤」と「枝」が入っていたから選んだだけです。
特に意味はないです。

連盟支部の幹部として、多分最後の大仕事になりますが、頑張ってきます。

R命館やD志社からクレームや抗議が起きませんように…。

岡田先生、竹内先生に感謝

こんにちは。

まず、岡田圭二先生、臨床心理士の竹内先生、ありがとうございます。

発表する際のテーマについて絞り切れなかったところ、同じ毛利ゼミの方(名前を出して感謝したいのですが、投稿がまだで名前の表記が分からないので、伏せておきます。)に、心理学の分野は岡田先生が詳しい、と教えて頂きました。

その後、心理学の専門家ということで臨床心理士の竹内先生を伺ったところ、テーマに関連する書籍の紹介をしてくださった他、岡田先生に話を通してくだいました。

そして岡田先生には、テーマの絞り込みに協力してくださり、また、当初から私がテーマとしている分野の専門家の方々の紹介等してくださいました。

ありがとうございます。

今回の投稿はこの辺で終わりにします。

初夏

紫陽花が綺麗だなぁ、とぼんやりと外を眺めていると、雉がひょこひょこ歩いている。
田植えが終わったなぁ、と田を見渡せば、子供の鷺が5羽ほど餌を探している。

雨が近いのか遠くから、牛蛙の声がする。

隣家の垣根の梔は甘い香りがして、家の庭には雀が遊んでいる。
叔母の家の燕の巣では、雛がピーピー鳴いているのだとか。

ひとりばえの梅雨葵が今年も紅い花を咲かせて、梅雨を知らせているところ。

夕暮れ時の、あの空と田んぼと鮮やかな色彩の波。
夜の星はぽつりぽつり輝いて、月は穏やかに満ち欠けをする。
朝、草木の冴えたような青、そして花の色。

雨のにおい、田を渡る風の涼しさ、蛙の大合唱。

私の好きな初夏の景色。

千葉出張と地震

毛利です.

国際ワークショップへの参加のため,木曜の午後から千葉へ向かい,先程(0時半頃),名古屋に到着しました.当然,終電を過ぎているため,研究室に移動してこの記事を書いています.

千葉で開催されたWSは,地震の前駆的活動(前兆という言葉はNGな人達がいるらしい)をテーマとしたものです.東アジアを中心に全10ヶ国から人が集まっており,当然,英語で発表しなければなりません.私は発表も英語も苦手なので,しどろもどろになってしまいました.学生には日頃ワーワー言っていますが,自分自身の精進が足りていませんね,はい.

さて,そんなこんなでささやかな打ち上げをし,帰路についている最中,電車が急停車しました.地震が起きたのですね.総武線快速の中で待ちぼうけ,やっとこさ東京駅に着いても待ちぼうけ,新幹線も平常より遅い運行とあって,当初の予定の2時間遅れで名古屋に着いた次第です.

・・・WSに参加し,足止めを食らった研究者の方々は,皆,同じ事を思ったことでしょう.
「今回のコレを予測しなければならなかった!」

この記事を読んで,「そんなアテにならない研究は無駄だからカットすべき」と思った人もいるでしょう.学術系の研究は,普通の人からは無駄に見えることが多いです.実際に無駄になることも多いです.しかしですね,決して潤沢でない予算をやりくりしながら必死に研究活動をした人達の屍の上に,今の科学は成り立っているということを,どうか分かってほしいです.

なお,研究室にカメラを忘れたので,WSの様子等の写真はありません.あしからず.