初等教育におけるプログラミング

出身研究室のOB会が昨日ありまして,色々とお喋りをした中で,初等教育におけるプログラミングの話題がありました.

プログラミングをしていると実感させないほどに誰にでも使えるプログラミングツールとしては,Scratch (https://scratch.mit.edu/)があります.主にマウスを使ってカラフルなブロックを組み上げていくもので,処理の流れが視覚化されており,ミスタイプが起こりにくいです.つまり,思考をアルゴリズムに集中させてトライ&エラーができるため,論理的思考力を養うには有効なツールだと思います.

しかし,Scratchは自由度が小さく,また「処理手順を言葉で説明する力」を伸ばすには不向きです.もう一段階深い/もう一歩進んだ「プログラミング能力」を身に付けるには,やはり自由度が大きい環境で「言語によるコーディング」をすべきだと思います.ここで,中学・高校・大学において多く利用されるのがBASICあるいはJavaです(個人的にはPythonが好みなのですが).ただ,これらもまだ日本の小学生には敷居が高く,普通の小学生向けに噛み砕いて教えられる人も少ないと思います.

その間を埋められる言語として話題に出てきたのが,日本語プログラミング言語「ひまわり」です.私は名前だけ知っていましたが,OBの一人が実際に「それで覚えた」とのことでした.探してみたところ,現在は開発・保守が終了しており,「なでしこ」が後継となっているとのことでした.そこで先程,「なでしこ」をダウンロードして使ってみました.
http://nadesi.com/top/

思ったことを並べると,次の通りです.

  1. 処理手順を日本語で説明するように書ける
  2. 文法はもちろん厳密だが,エディタが自動で色分け表現するため,逆に「てにをは」を意識でき,説明力や読解力の向上が期待できる
  3. 処理ブロックを字下げで表現するため見やすい
  4. スクリプト型であり,デバッグ等をしやすそう
  5. 機能が割と充実しており,仕事もさせられそう

幼少期における読解力と説明力は,学習能力に直結すると思います.国語算数理科社会その他ひっくるめて効果が出そうですので,IT立国関係なしに,小学生には「なでしこ」でプログラミングを覚えてもらいたいと思いました.

One Reply to “初等教育におけるプログラミング”

  1. 最近の高校生以下の少年少女たちの会話に耳を傾けていると、日本語の乱れが気になりますね。
    IT立国以前に、まず初等教育で母国語たる国語教育を充実させなければならないと私は思います。プログラムを組むために「喉元まで出かかったアイディア」を言葉にすることができなければ、全く意味がないですからね。最近は(偽りの)英語力を伸ばすためにショートカットをしようとして、実の無い教育を施し、受けさせられているという意見を周囲で聞きました。
    その点、プログラミングを学べて説明力や読解力の向上にも繋がりうる「なでしこ」は利点が大きそうですし、これを足掛かりにして遠回りでも英語に発展させてゆけば良いのだと思います。

Shinpei SUZUKI へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)