八重歯。

みなさん、八重歯というものをご存知ですか?八重歯とは、辞書によると「横に並んで生えるはずの歯が重なるように生えたもの」を指します。私はこの八重歯にひどく好奇心をそそられるのです。そして、この好奇心を引き金にしてあわや恋にまで発展しそうになるのです。

私のバイト先に八重歯を所持した年上の女性がいます。うっかりその人が八重歯であることを忘れて生活していると、突然それがひょいと顔を覗かせ私を嘲笑するのです。その度に危うく心を撃ち抜かれそうになるのです。私にとって女性の八重歯というものはそれほど危なっかしい物体なようです。

では、なぜ私はこうもこの八重歯にそそられるのでしょうか。私が油断している隙に背後から忍び寄ってきて、肩に噛み付かれて血を吸われるのではないかという恐怖心からくるものなのか。はたまた、ひょっとするとその方の両親のどちらかが猛犬なのではないかという疑心からくるものなのか。私にはよくわかりません。

しかし、私はそこで普遍的な出来事に満足しない人間のおぞましい欲望のようなものを垣間見ている気がしてならないのです。もし人間からそいつを追い出すことに成功したならば、すっからかんになってしまうのではないかしら。

One Reply to “八重歯。”

  1. 文学的な何かを感じさせる文章ですね.
    感性はそのままに,表現が途中でブレないようにしていったら,よりよいと思います.
    「1つの内容・題材を長く」というわけではなく,短編ばかりでも構いませんが,自身の内から湧き上がるものを,たくさんたくさん文章にしていった先を,ちょっと期待しています.

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