論文のPDFファイルを作成する際につまづきやすい「フォントの埋め込み」について
学会に投稿する場合など,全てのフォントをPDFに埋め込むことが要求される場合があります.TeXで原稿を作成しPDFに変換する際は,大別すると次の3つの方法があると思います.
- DVI閲覧ソフトから仮想プリンタ経由でPDFに保存
- dvipskコマンドでPSファイルにしてからps2pdfコマンド
- dvipdfmxコマンド
1や2の場合は自力で頑張ってください.3の場合について補足説明をします.
dvipdfmxでは,-fオプションを指定するとフォントを埋め込みますが,環境によっては埋め込まれるフォントの種類が限定されます.また,Windowsの場合,Windows 7からMSフォントの扱いが変わったため,MSゴシックやMS明朝が埋め込まれなくなりました.というわけで,Windows環境でフォントの埋め込まれたPDFを作成する手順を説明します.
(*MacやLinuxの場合は自力で頑張ってください)
なお,詳細はTex Wikiの該当項目やその先を参照しましょう.
TeX Liveの場合
本来は何もしなくても勝手に埋め込まれますが,そうならない場合は下記のように確認・設定します.
- ターミナルまたは Tex Live command-line にて次のようにコマンド
kanji-config-updmap status
- 例えば下記のように現在の設定(noEmbed等)とフォントのリストが出力
CURRENT family for ja: noEmbed
Standby family : bizud
Standby family : haranoaji
Standby family : ipa
Standby family : ipaex
Standby family : ms
Standby family : yu-win10
- Standbyの中から埋め込みたいフォントを選び,次のようにコマンド
W32TeXの場合
- IPAexフォントをインストール
- 文字情報技術促進協議会の専用ページから最新版のIPAxフォントをダウンロードし,解凍
- ipam.ttc および ipag.ttc をそれぞれダブルクリックして出てきたウィンドウ上部の「インストール」を実行
- GhostScriptの設定ファイルを編集
- GhostScriptのインストール先(例えば C:\Program Files (x86)\gs\gs9.21\ など)のフォルダ下の
Resource\Init\gs_pdfwr.ps(gs8.61など古いバージョンでは lib\gs_pdfwr.ps )
をテキストエディタで開く
- 標準(で埋め込まれない)フォントの設定を書き換える(コメントアウト)
変更前:
/.standardfonts [
/Courier /Courier-Bold /Courier-Oblique /Courier0BoldOblique
/Helvetica /Helvetica-Bold /Helvetica-Oblique /Helvetica-BoldOblique
/Times-Roman /Times-Bold /Times-Italic /Times-BoldItalic
/Symbol /ZapfDingbats
] readonly def
変更後:
/.standardfonts [
% /Courier /Courier-Bold /Courier-Oblique /Courier0BoldOblique
% /Helvetica /Helvetica-Bold /Helvetica-Oblique /Helvetica-BoldOblique
% /Times-Roman /Times-Bold /Times-Italic /Times-BoldItalic
% /Symbol /ZapfDingbats
] readonly def
- dvipdfmxのオプションにて,以下のようにフォントマップを指定
dvipdfmx -f ipaex.map -f dlbase14.map ファイル名.dvi
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